鍼灸治療

鍼灸治療

鍼灸は、「はり・きゅう」または「しんきゅう」と呼ばれています。
東洋医学のひとつとして、中国に起源をもち、古くから日本にも伝わりました。
鍼灸治療は、体の内側に原因があるような病気に対して、有効な治療法です。
病を封じ込め抑制する方法ではなく、刺激することで原因にアプローチし、ご本人の持っている自然の力と一緒に治療する方法です。
副作用もないので、体への負担も少ないです。
最近では東洋医学の効果も証明されることが多くなり、鍼灸もだんだんと見直されるようになってきました。
WHO(世界保健機関)でも様々な病気に対する鍼灸療法の有効性が認められています。

 

鍼灸治療が効果がある疾患

本場中国では、整形外科疾患だけでなく、内科疾患や精神疾患など、鍼灸治療が活躍する範囲は多岐にわたります。
その他、鍼灸治療がよく行われている症状は下のものが挙げられます。

首のこり・肩こり、五十肩、関節痛、寝違え、背中のはり、腱鞘炎(けんしょうえん)、肘(ひじ)の痛み、腰痛、ぎっくり腰、足のむくみ、膝(ひざ)の痛み、座骨神経痛など。

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鍼(はり)治療

鍼の治療は、金属の細い針を経穴(けいけつ)というツボに刺して行います。
鍼の太さは注射針よりもずっと細く、髪の毛くらいの細さになっています。鍼を一度刺したら、そのまま少し時間を置く鍼灸治療法や、数回抜き差しし、刺激を加えていく鍼灸治療法もあります。また、刺した鍼に弱い電気を流してツボに刺激をおくる方法や、鍼の上に艾(もぐさ)を焚いて鍼を刺す刺激と、お灸の暖かい刺激を両方与える方法もあります。
どのような治療が必要なのかは、症状やそのときの体調、時間帯や季節などによっても変わってきます。
訪問リハビリマッサージの場合、マッサージで届かないところや、マッサージと違う刺激が必要なとき、ご本人やご家族にご相談の上、鍼(はり)を使うことがあります。
鍼(はり)はマッサージでは届かない身体の奥へ直接刺激をすることができ、
経穴(ツボ)の流れなどによって、全身の機能調整を図ることができます。
使用する鍼(はり)の種類は、1本1本使い捨てのもの(ディスポーザル鍼)を使いますので、衛生面でもご安心して治療を受けていただけます。
鍼(はり)治療をした後、からだにだるさや、ほてりのようなものを感じることがあります。それは、東洋医学では瞑眩(めんげん)といい、経穴(けいけつ)から刺激があったことで、ご自身の身体が好転(改善)していく際に起こることで、好転反応とも言われています。
薬による副作用とは違い、依存性もなく、後日に何か後をひくようなものでもないので、ご安心ください。

鍼って痛い?

ほとんど痛みを感じないことが多いですが、注射器の針(はり)より細い鍼(はり)ですが、鍼(はり)ですので、まったく痛みがないというわけでもありません。
また、箇所によっては刺されたかわからない場合もあります。
鍼を刺したときの特徴は、体の奥で響くように重く感じる「ひびき」です。
これは、人によっては「痛み」と表現される方もいらっしゃいますが、表面の痛みとは違って、身体の深い場所に「ひびく」刺激(痛み)で、マッサージで身体を押したときに「イタ気持ちいい」刺激が身体の奥深くで起こっているような感じを受けます。
腰痛や肩こりなど、体に痛みがある場合や、むくみ、座骨神経痛など何か症状が出ている場合、この深い「ひびき」については、特に気持ち良い刺激として感じられます。

灸治療

お灸の治療は、艾(もぐさ)によって作られた米粒大のお灸か、赤ちゃんの小指の先程度の大きさのお灸の2種類を使って治療します。
艾(もぐさ)に火をつけ間接的に経穴(ツボ)に熱による刺激を加えていきます。
どちらを使用するかは、症状によってかわります。
当院では、皮膚が弱い方の為を考えて、お灸を置く箇所にクリームを塗って、その上にお灸を据えたり、皮膚とお灸の間にシールのようなものを挟んでお灸をしています。(昔に「お灸を据えられた」跡のある方にとっては物足りないかもしれませんが、クリームやシールが不要な場合はおっしゃってくださいね)
お灸は温熱効果があり、血行不良で冷たくなった足や手の循環向上に役立ちます。
身体があたたまり、睡眠不足の解消なども期待できます。艾(もぐさ)が燃えるため、お灸は独特の香りがします。お線香やお寺さんの中のの香りに似ていますが、
心が落ち着くように感じられる方もいらっしゃるようです。感じられます。

お灸って熱い?

身体の上に火がついているお灸が乗っているので、もちろん熱いです。
お灸も鍼と同じように経穴(けいけつ)の上に行うことが多いのですが、お灸の熱さも、マッサージや鍼と同じようにツボに刺激が届く感じがあります。
熱いけれども、心地よい熱さ。お灸を受けていただく患者さんからそのようなお言葉をよくいただきます。
大きなお灸は火をつけてから、しばらくは特に何も感じないことが多く、だんだんと温かさが感じられていきます。
5分程立ったころに、熱さのピークが来ます。その最も熱い時間に、熱いと感じる方も多く、ただ1分にも満たないほどで熱さも収まってきます。
小さなお灸は火をつけてからすぐ、ほんの1~2秒ほど熱さがツボに届きます。その後熱さははすぐに消えます。

お灸での治療で、熱くて耐えられなく感じる際には、遠慮なくおっしゃってください。

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